今日は、成道会でごりら組とばんび組が代表で本堂へお参りに行きました。
成道会は、お釈迦様がお悟りを開かれた日です。
園長先生から紙芝居を読んでもらい、みんなが気持ちよく共に生きていくためには『みんな仲良く致します』『生き物をかわいがります』『進んでよい事をし。悪い事はすぐやめます』というお釈迦様との3つのお約束を守っていこう。とお話しを聞きました。
そして、手を合わせてお参りをしてきました。
その後、ごりら組に戻り、園長先生から読んでいただいた紙芝居が、より理解できるように、もう一度読んでもらいました。
今日読んでもらった紙芝居です。
大き菩提樹の木の下に座って、シッタルタ王子さまは、一生懸命考えています。
「どうしたら、みんなをよい子にすることができるだろう」って考えているのです。
ある日、王子さまの、心の中に、とてもやさしい声が聞こえてきました。
(悪魔1)「王子様。一緒に遊びましょう」
するとまた別の声が、
(悪魔2)「あーあ、おなかがすいたなぁ。アイスクリームと、ケーキと、バナナと、すいかと、チョコレートと、それから、デパートのお子様ランチと、ラーメンと、ジュースと、みんな、みんな、食べちゃいたいなあ」
(悪魔1)「わたし、野菜も魚も嫌いだから、毎日、毎日、肉だけ食べたいなぁ」
(悪魔2)「うん。毎日、毎日、大好きな物だけ食べていたいね。」
王子さまも、思わずつばを飲み込みました。
(王子)「ぼくもカレーライス食べたいなあ。お腹がすいてきちゃったなあ。
あっ、いけない、あれは悪魔の声だぞ。食べ過ぎたり、好き嫌いをしたりすると身体が弱くなって、勉強する事も、遊ぶことも出来なくなっちゃうからな。悪魔の声なんかに負けないぞ」
(悪魔3)「あーあ、つまんないなあ。なにして遊ぼうかなあ。
あ、ブランコがあるぞ。あれに乗って遊んでやれ。やい、どけ。僕が乗るんだから、あっちへ行け。順番なんか、どうでもいいんだ。どかないとぶつぞ。」
わあ、すごい。やっぱり、悪魔の声ですね。
王子さまは、首をふりました。
(王子)「だめだ、だめだ。強がり虫の悪魔よ。ひとりだけで遊んだって、ちっとも、楽しい事なんかないんだよ。みんなで、仲良く遊ぶ方がずっとずっと楽しいじゃないか。
みんなと遊ぶためには、ちゃんと、約束を守らなければいけないね。
小さな人には、親切にしてあげるんだ。いばりんぼの、いじわる悪魔なんかに負けてはいけないぞ。」
おやおや、なんて乱暴なんでしょう。怖い顔して、足ばたばたさせているのは、だあれ。
これも、王子様の心の中に入ってきた、悪魔です。
(悪魔4)「ええい、もう、いい加減に勉強なんかやめちゃえ。
面倒くさい事なんか、みんなやめろ。えらそうな顔して、勉強なんかしていると、この積み木をぶつけるぞ。 泣いたって知らないぞ。」
王子さまは、静かに考えました。
(王子)「まてまて、いらいら虫の悪魔よ。そう、すぐに怒って、いらいらしてしまっては、勉強なんかできないよ。 わたしは、『みんながよい子になる勉強』がわかるまで、いらいらなんかおこさないよ。わかるまで、がんばるよ。」
王子さまが、ちっとも、悪魔に負けないので、悪魔たちは、たくさんの仲間を連れてきました。
はなたらし悪魔。つめがのびて、汚い手の悪魔。便所を汚して、へいきな悪魔。ごはんをこぼす、お行儀の悪い悪魔。公園の木や花を折る悪魔。
わいわい、がやがや。その、うるさいこと、うるさいこと。
おいらは 悪魔だ わーい わい
あの子は なきむし ワーン ワン
あの子は なまけて ブーラ ブラ
先生のいうこと きくもんか
かあさんのいうこと いやーだよ
なまけて 遊んで たらふく食べろ
おいらは 悪魔だ わーい わい
(王子)「うるさーい! 悪魔は、みんな、消えてしまえ―っ!」
いやその王子さまの声の大きいこと。 悪魔たちはびっくりぎょうてん。 一匹のこらず、王子さまの心の中から逃げていってしまいました。
静かな、静かな、夕暮れです。
悪魔を心から追い払った王子さまは、すがすがしい気持ちで、じっと座って考え続けておられます。
王子さまの明るいお顔を見て、小鳥たちも今夜は安心して眠る事ができるでしょう。
それから、一週間目の、12月8日、みんなをよい子にするための、勉強が終わった王子さまは、お釈迦さまになられました。
わたしたちも、時々、このような悪魔の心になる事がありますね。でも、王子さまのように、悪魔の心に負けない、強く、正しい心をいつも持っていましょうね。
そして、お釈迦さまの、教えを守ってりっぱな人になりましょうね。