去る6月10日㈯、コロナ禍で令和元年以降出来ていなかった『海岸清掃活動(ボランティア)』を行いました。今回で9回目を迎えます。平成24年(2012年)に第一回目を当時の『おやじの会(有志団体)』の4名と私の計5名で一泊二日で始めたのが昨日の事のようです。

育児は母親だけが行う事でもなく、女性と同じように(同じ方法を指し、量の意味ではありません)する必要はなく、試行錯誤して父親ならでは(自分ならでは)のできる精一杯をもって母親(パートナー)と協働して行う教育という営みです。

今の時代、共働きの家庭が増え、育児や家事に対する考え方も随分変わってきています。男性が育児や家事で「何か手伝おうか?」などが通用するようなことはありません。そして、子どもは勝手に育つわけでもなく、『育ってほしい姿を思い描き』ながら『し続ける(関わり続ける)』ことでのみ、やがて(いつか)育つと思います。このような育児・教育という尊い人の営み(養育する権利)を他者に任せっきりにしたり女性に任せっきりにするのはもったいない。是非、できる事を精一杯行い『わしがこの子のお父ちゃんやっ!』と胸を張って家族と手を携え、社会の中で生きてほしいと願い、当時の父親たちに思いをぶつけ始まった恒例行事です。

今年は大人7名、卒園児・園児8名、職員8名の23名で行ってきました。

神崎浜の閉鎖もあり3年間行えなかったこの活動の再開を神崎観光協会の方も喜んでおられました。お茶とジュースの差し入れを頂きいざ開始です。

一足早く地元の子ども達が海遊びを楽しんでおりました。海開きは7月1日で釣り人も多かったです。海に入りたくなる気持ちは抑えて(楽しみを先に延ばして待つ)ゴミ拾いのスタートです。

大雨の後、浜に大型重機を入れて流木などの除去作業をして頂いたようで波打ち際に若干のゴミが上がっていましたが、幼い子どもには十分危険ですので丁寧に拾い集めました。

浜の清掃と大型重機などでは入れない防風林の役目も果たす松林の『松葉』の除去清掃との2グループに分かれて午前中を過ごしました。科学技術が進歩し、様々な分野でのAIの実用化までもが日常会話やニュースで取りざたされている今日です。しかし、全ての事柄が(仕事や、人の暮らしが)機械や技術で賄われることはないと思いますし、出来たとしても場合によってはすべきではないと思っています。

新型コロナウィルスの世界的流行(パンデミック)は私達人間社会の暮らしぶりに多大な影響を与え、甚大な健康被害をもたらしました。私はこども園とお寺の壇務に携わらせて頂いている毎日ですので『直接的な人同士の関わり』無くしては成り立ちにくい暮らしです。

改めて宗門の(曹洞宗)青山俊董老師の『生かされて生かして生きる』(書籍の題名)という言葉を噛みしめた日々でした。

人は皆、顔が見える(存在を認識できる)家族の為、仲間の為、そして自分の為に生きたり行動したりして日々を過ごしていると思います(そうではない方もいらっしゃいますが)。

今回参加下さった保護者の方と清掃しながら話していたのですが、

「楽しいですね。1人や家族だけやったら苦しいばかりやろうけど・・・」

同じ行為をしても”誰とやるか””どのようにやるか”などで感じる感情は全く違います。しんどい、苦しい、いやだいやだと思う感情も真実。しかし、「誰かが困らないようにしたい」「誰かが喜んでくれるかな」「しんどいけど話しながら、力を合わせてやるのって”なんか気持ちいい”」と感じる気持ちもまた真実。不思議ですね。案外、幸福は自分の気持ち次第でいつでも感じれる身近なものなのではないんでしょうか。そして、人とつながり合う事を欠いては感じられにくいのではないのでしょうか。

『頂いたご縁を大切にし、関わり合う事を丁寧に続ける』

『生かされて生かして生きる』

私たちの知らない子ども達や家族の豊かな夏の遊び、海水浴を想像し、私の知らない人との形には表れてこない関わり(海岸清掃)を3年分楽しみ、噛みしめられた豊かな時間でした。

松葉の下は小さな生き物たちでいっぱい。子ども達は大興奮!

土が豊かな証拠のミミズやワラジムシ。ダンゴムシたち。私たちの暮らす環境ではお目にかかる事のないミミズ。園の畑に少し土ごと持って帰ってきました。また畑で見つけられるかな?

久しぶりの海に思い思いの場所でお弁当を楽しみました。

昼食後は海に小石を投げる”水きり”をしたり”かけっこ”をしたり、”砂遊び”をして夏が待ちきれない私達でした。

「屋根もやろうか?」「屋根壊したら大変ちゃいます?」「やめときましょう・・・」の写真です。

ほんとに他愛もない会話ややり取りの楽しく心地いい事♬

午前午後で2時間半ほどの清掃でしたが、43袋のゴミを取り除く事ができました。

浜の清掃活動ですので小さいお子さん連れはお断りせざるを得ません。””やりたい”と思って頂いたり労いの言葉をかけて頂いた方もいらっしゃいました。嬉しく、様々な形にて『関わり合えている』事に幸福や意義を感じております。

また、今後も様々な行事が控えております。『できる時に、できる事を、出来るだけ』。

是非、ご参加ください。今年も無事に行えたことに感謝しつつご報告まで。

ありがとうございました